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綾の肖像プロジェクト(尾立地区)

「綾の肖像プロジェクト」は、集落の記録・記憶を残しつないでいく取り組みです。

綾町には22の自治公民館(地区)があります。その中には、山間部の小規模集落がいくつか存在し、集落の皆さんは消滅の危機と向き合っています。

そこで、集落の各家庭で大切に保存されている、地域の風景や暮らしが分かる写真をデジタルデータ化するとともに、地域活動や暮らし・仕事・祭りなどの思い出、集落に対する思いなどを聞き取り、次世代につないでいこうと、綾町と宮崎大学の協働で令和2年11月に「綾の肖像プロジェクト」をスタートしました。

令和4年10月に収集し、聞き取り調査をした尾立地区の写真を紹介します。

 

尾立地区の写真

綾分校

1963年に宮崎県立本庄高校の綾分校で撮影された1枚です。綾分校は1948年11月に開設され、定時制農業科・家庭科がありました。定時制農業科では、家庭の事情に応じて各生徒が3~5アールの農地を管理し農業を実践、先生が訪問指導を行うという「ホームプロジェクト」がありました。綾分校ははじめ、綾小学校の校舎を借用していましたが、1953年に神下地区に校舎ができました。1962年には古城に移転、1968年10月に閉校しました。

 

縄文

尾立縄文遺跡の発掘を担っていた宮崎大学の田中熊雄先生が、1963年に発掘現場で尾立住民を写した写真です。尾立地区は戦後に入植がはじまった開拓地で、開墾すると土器の破片がたくさん出てきて畑の隅に積み上げられていたそうです。この遺跡で発掘された縄文土器は独特の紋様から「綾式土器」と呼ばれ宮崎県総合博物館に展示されています。

 

大家族

1970年ごろに撮影された大家族のスナップ。新婚の夫婦とその兄弟や甥・姪などが集まったときの様子で、にぎやかな声が聞こえてきそうです。

 

手踊り

1970年代に撮影されたもの。尾立地区の女性の皆さんによる「手踊り」は、1990年ごろまで毎年のように披露されていましたが、高齢化や人口減などで踊り手が少なくなりなくなってしまいました。

 

田淵

1970年代の農家の様子。開拓後からしばらくは、ハッサクなどの柑橘類が尾立地区の主品目でした。綾町がまちをあげて有機農業を推進することにしたことを大きなきっかけとして、尾立地区の果樹園は露地栽培の畑にかわっていきました。

 

成人式

1971年の成人式の会場前で。当時行われていた青年団の地区対抗駅伝大会で尾立地区青年団が優勝したのを記念して撮影されました。駅伝大会のほかにも、バレーボール大会などさまざまな交流の機会がありました。

 

旧公民館

1972年8月、旧尾立公民館の完成記念の集合写真。当時の宮崎県知事(黒木博知事)も写っています。建物は、綾小学校尾立分校の校舎を再利用したものでした。

 

記念碑  記念碑うら

1974年に尾立公民館の敷地内にある開拓記念碑の前で、入植第一世代の皆さんを写したものです。入植者は鹿児島県出身や日之影町出身、満州からの引き揚げ者など出身地も経歴もさまざまでした。綾町の開拓地の中では、尾立地区の入植者が最も多かった(83戸)と郷土史に記載されています。

 

体育祭

1980年ごろに撮影された町民体育大会の一コマ。町民体育大会は現在も秋に開催されていますが、当時は錦原運動公園で行われていました。22の地区が4つの団に分かれて綱引きやリレーなどの種目で競い合う一大イベントです。子どもからお年寄りまで皆が集まって、お弁当を広げたり応援しあったり。親睦を深める大切な機会でもありました。

 

出荷

1987年の野菜の出荷風景。尾立地区の農家の多くは、宮崎市内にあるJA綾町の直売所で野菜を販売していました。現在も、白菜・キャベツ・ニンジン・タマネギ・ジャガイモ・ホウレンソウなど多品目が作られています。開拓以来、尾立地区の住民のほとんどは農家で、現在は若い世代の新規就農者も少なくありません。

 

文化祭

尾立地区の「自治公民館手づくり文化祭」はとれたての野菜が所狭しと並べられるのが特徴。新型コロナウイルス感染症の影響でこの数年は開催されていませんが、毎年、町内外から約150人もの来客があり、地元の皆さんはおにぎりやそばなどをふるまったり、野菜を販売したりと大忙しの催しです。地元の人が集まって、野菜の育て方の工夫などの情報を交換する場でもあります。

 

50周年 50

1996年に開拓50周年を記念して行われたお祝いの様子。ほとんどの住民が参加して歌や踊りを楽しみ、バラ寿司などのごちそうに舌鼓を打ちました。進学や仕事で地区を離れた出身者もお祝いにかけつけ、たいへん賑やかな1日だったそうです。

 

茶屋

2001年に撮影された法安茶屋での宴会の様子。尾立地区住民の法安さんが営んでいた法安茶屋は、住民の憩いの場でした。カラオケ教室も開催されるなど、地区の皆さんの楽しい思い出が詰まった場所なのです。

 

お達者

2006年のお達者クラブの様子。まだまだお元気だった入植第一世代の皆さんが写っています。お達者クラブは、綾町社会福祉協議会が各地区の恒例の皆さんの交流や楽しみづくりのために行っている取り組みです。

 

せんぐ

2008年に、公民館で婦人会の皆さんが餅を作っているところです。新しい公民館の棟上げに合わせ行われたせんぐ撒き(一般的には餅撒き)で、この餅や小銭などが撒かれました。多くの住民が集まって歓声をあげたそう。古い公民館はたて壊しが検討されたものの、綾小学校尾立分校の校舎であることから記念に残されました。現在も、公民館の敷地内に建物が残っています。