ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 綾ナチュラルガーデン > 自然とともに生きるまちの植栽空間づくり

本文

自然とともに生きるまちの植栽空間づくり

綾ナチュラルガーデン

綾町の植栽空間づくりの考え方

綾町では「自然と共に生きるまちづくり」の取り組みの一環で、在来の植物を含む多年生草本を中心とした試験的な植栽による景観づくりを進めています。
植栽地では生物多様性を意識し、在来種や園芸的に使用されているさまざまな草花が、綾町の山並みや河川、農地風景を背景に、光や風、虫の動きなども生かしながら、自然を感じられるように構成されており、芽吹きから成長・開花・結実・枯れゆく姿まで、ありとあらゆる生命の営みとその美しさを体感できる空間づくりを目指しています(※)。
管理面においても自然の循環や機能を活かすという考えが基本です。植物の生育に順応した調整的なメンテナンスをしていく、自然に寄り添った植栽管理です。

この取り組みは、住民が地元の植物の魅力を再認識することにつながるだけでなく、少なくなってしまった草原環境に残された草原生の植物の域外保全にも貢献できる可能性があります。また、四季を通じて多様な花が咲くことで、これまでにチョウ類やハチ、アブ等たくさんの昆虫が集まってくることが確認されており、周辺環境の生物多様性が高まり、自然生態系農業(農薬の使用を制限し安心安全な野菜や果物を生産する町の基幹産業)の耕作地においても良い効果をもたらすことが期待できます。

※詳細は、以下の論文に掲載
 日本造園学会誌
 特集「在来の草本植物を用いた植栽事業の現状と可能性」の『宮崎県綾町におけるナチュラリスティックな植栽の取り組み』平工詠子ほか著
植栽の循環図

綾ナチュラルガーデン錦原

錦原

基本情報

面積/850平方メートル

植栽施工/2019年11月

立地・環境/
錦原台地上の日向と半日陰が混在する立地。土壌基盤は黒土。

植栽管理/
綾ナチュラルガーデン倶楽部(ボランティア団体)Tel080-5282-7713

植栽デザインと植物の構成

周囲が山と畑地に囲まれた緑の風景であることから、日照条件を考慮した2パターンの植栽の組み合わせをつくり、背景に自然となじみやすいようなランダムな配置をしながら連続性が感じられるデザインとしている。

使用植物は多年生草本が主体で、地元在来種30 種と園芸種50 種の構成からスタート。常緑の骨格と基本の彩りは園芸種を基本として計画し、在来種はハナウド、シラネセンキュウなど集合で見ると華やぎもありながら優しい雰囲気の開花をするもののほか、ワレモコウ、ホトトギス、ミソハギ、ノジギクなども活用。

◆植栽デザイン GARDENER-詠- 平工 詠子
錦原デザイン画

綾ナチュラルガーデン尾堂

尾堂

基本情報

面積/800平方メートル

植栽施工/2020年11月

立地・環境/
綾北川に隣接する河川堤防上の立地。周囲に日差しを遮るものがなく、晴天の日中は常に直射日光が当たる。冬季は寒風にさらされ土壌が乾燥しやすい。植物にとっては過酷な環境にある。

植栽管理/
綾町シルバー人材センター Tel0985-77-3200

植栽デザインと植物の構成

園芸種の華やぎで視認性を高くする道路交差点脇から、川上に向けて在来種主体で自然感を増してゆく連続的な配置。植栽全体を周囲の景観に繋げるようにデザインされている。

使用植物は多年生草本が主体で、地元在来種40 種と園芸種120 種の構成からスタート。より過酷な生育環境に耐えられるよう、在来種としては日当たりの良い場所を好むナンテンハギやオミナエシなどの地元の里山・草原・林縁生の植物種のほか、河川敷や海辺に近い場所に生えるカワラヨモギやハマナデシコなどの種類を選定。

園芸種はエキナセアやフロックスなどの華やぎを見せるもののほかに、自然な光と風の動きを反映しやすく植栽地内で制御しやすい種類を選定している。

◆植栽デザイン GARDENER-詠- 平工 詠子
尾堂デザイン画

綾ナチュラルガーデン郷鴫

郷鴫

基本情報

面積/126平方メートル
   ※植栽地全体の約3分の1

植栽施工/2022年11月

立地・環境/
県道宮崎須木線沿いで、綾町中心部の入り口に位置。
町内では交通量が多い地点で、歩道もあり、通学路になっている。
日当たりがよく赤土をベースに土壌改良を行っている。

植栽管理/
綾町シルバー人材センター
綾ナチュラルガーデン倶楽部
南九州大学庭園デザイン学研究室(調査、観察、管理実習)

植栽デザインと植物の構成

南九州大学との協働による作庭を実施。
同大学庭園デザイン学研究室による作庭デザインの提案を受け、植栽デザイナー・平工詠子氏の監修のもと設計。

使用植物は多年生草本が主体で、在来種や地元産の園芸種ラナンキュラス「ラックス」をはじめとする37種類の植物が配され、2023年3月に初の開花。町中心部の入り口を明るい色彩で彩っている。

◆植栽デザイン
南九州大学庭園デザイン学研究室/調査、設計
GARDENER-詠- 平工 詠子/設計指導
郷鴫ガーデンデザイン図
植栽種類

綾ナチュラルガーデンとは
綾ナチュラルガーデン動画
綾ナチュラルガーデン写真展